レビュー・感想【PS4/PSVITA】月に寄り添う乙女の作法~ひだまりの日々~【つり乙】

ゲームをする人 ゲーム

「月に寄り添う乙女の作法~ひだまりの日々~」

全ルートクリアしました!

以下100点満点で各要素を点数化したものです!

・総合点 95点(傑作)

・シナリオ 90点(全ルート質が高かった、特にルナ、ユルシュールルート

・キャラ 100点(サブキャラ含め全員魅力的)

・イラスト 85点(全体的にきれい)

・システム 100点章スキップが優秀すぎる!)

Navelの作品は作画、シナリオ、音楽どれをとっても高水準のものが多く、本作も大満足の出来!

女装×服飾×主従関係という難しい題材ながらも、Navel作品特有の会話劇の面白さと、しっかりと筋の通ったストーリー展開で、非常に楽しめる作品に仕上がっています。

プレイ時間は20時間ぐらい、各章ごとに章ごとスキップできる機能があるため豊富なテキスト量ながらストレスを感じずにプレイできました。

以下で各ルートごとの感想、総評です。

ここからはガンガンネタバレしていくので、ぜひプレイ後に見ていただきたいです。

月に寄り添う乙女の作法 各ルート感想(ネタバレあり!)

攻略順について、自分は

ユルシュール→瑞穂→湊→BAD→ルナ様の順番でプレイしました。

おすすめはルナ様とユルシュールルートをどちらからでもいいので続けてやること

そちらの方がストーリーの展開上感情移入しやすくなっています!

後のキャラは、特に指定もないのでお好みに、ただ湊ルートは他3ルートと毛色が違っているため、だれやすい中ごろにプレイするのがいいかも。

以下各ルートの感想です!

共通ルート感想

まずは共通ルート

プロローグにあたる主人公、大蔵遊星(朝日)の過去編がかなりシリアスで、

「あれ、買うゲーム間違えたかな?汗」

と焦っちゃいました(笑)

ただ、この過去編は本作に必要だったと思います。

主人公がなぜ女装してまで憧れであるジャンが創設した学校に行きたいのか、その動機がしっかりと描かれているため、本編開始後すぐに、主人公である朝日に感情移入することができました。

主人公が好きになる=好きな作品への第一歩なので、多少シリアスでも、この導入はよかったと個人的には感じています。

その後はNavel作品らしく、各キャラの掛け合いが楽しい共通ルート

Navel作品はとにかく共通ルートの出来がいい!

主人公が女装しているという設定を上手く活かして、各キャラの性格や魅力、そして本作の雰囲気をプレイヤーに伝えていたと思います。

いつ女装がばれるか、飽きずにはらはらしながら見れたのもGOOD。

サブキャラも含めて濃いキャラが多く、何度も笑わせてもらいました。

特にユルシュール×ルナ様、サーシャ×北斗の絡みが好み。

共通ルートでだれてしまう作品が多い中、100点の出来ではないでしょうか。

個別ルート感想1 瑞穂ルート

個別ルートはまず、瑞穂からです。

ぶっちゃけ、他ルート(特にルナ様とユルシュール)と比べ、見劣りすると感じてしまいました、、

瑞穂の可愛さ、やさしさ、そして内に秘める心の強さがしっかりと描かれていたと思います。

百合とアイドルへの情熱も感じました(笑)

しかし、ストーリーの根幹が「瑞穂の男嫌い」のため、服飾や主人公、ヒロイン達の夢をテーマにした他2ルート(湊は別枠)と比べると、パンチが弱かったです。

衣遠様もほとんど邪魔してきませんし。

かといって湊ルートほど、他ルートから乖離した内容かといわれるとそうでもない。

きれいにまとまっていましたが、少し物足りない、惜しいルートでした。

個別ルート感想2 湊ルート

湊ルートはつり乙の中でも異色だったように思います。

服飾がほとんど物語に絡まず、主人公も唯一夢を一度諦めます

好き嫌いが分かれるルートだと思いますが、私は好きでした。

そしてその要因はおそらく、湊というキャラが大好きだからです。

持ち前の明るさで周りに笑顔をもたらす元気っ娘でありながら、初恋を忘れられず今も自分磨きを続けるかわいい乙女の一面も持っている。

私のドストライクでした(笑)。

主人公の秘密を守ることにも積極的に協力し、他ルートでも初恋の人の恋路を邪魔せず祝福する優しさも兼ね備えています。

逃避行を経て、湊が主人公と結ばれる本ルートは、確かに作品の本筋からはそれますが、一途に初恋の相手を想ってきた湊が報われる、いいルートだと私は思いました

個別ルート感想3 ユルシュールルート

本ルートはルナ様ルートと同じくらい出来がいい

「天才」ルナに「秀才」ユルシュールと主人公が努力で挑む物語。

決して自分は天才ではないことを認め、それでもなお夢のため、そしてルナに追いつくためひたむきに努力を続けるユルシュールの姿に何度も胸を撃たれました。

何度も「才能」という壁に押しつぶされそうになりながらも、諦めない彼女の「強さ」が大変魅力的。

そしてその努力が、同じく「才能」に恵まれない主人公「朝日」にもいい影響を与えていきます。

最終的に誰よりも努力を重ねた「秀才」タッグで「天才」ルナに勝利

どこのジャンプ漫画かと思うくらい胸が熱くなる展開!

共通ルートではいつもルナにからかわれ、ネタキャラ的扱いだったユルシュールの内に秘めた想いの強さを存分に感じられました。

朝日の女装がばれた際の対応も非常に大人で、彼女の器の大きさもうかがえます。

友情(愛情)×努力=勝利

という、誰もが大好きな展開を存分に詰め込んだ万人受けするルートだと思います。

個別ルート感想4 ルナルート

個別ルート最後はメインヒロインルナ様ルート。

このルートが本作の評価を大きく押し上げている印象です。

「孤高の天才」ルナは、「朝日」という公私における生涯のパートナーを、そして「凡人」朝日は「ルナのパタンナー」という自身の夢の実現への道をそれぞれ見つけるお話。

ルナ様に骨抜きにされる朝日の気持ちがよくわかります。

自分にはない常人離れしたデザイナーとしての「才能」、人間としての圧倒的な「器の大きさ」、そしてパタンナーとして自分を必要としてくれる「自分という存在の肯定」。

朝日の求めているものを、すべて与えてくれる女性です。

しかし、一見完璧な彼女にも、「家族」と「従者」から受けた大きな心の傷がありました。

そしてそんなルナ様の心の傷を癒したのは、同じように家族に迫害された経験を持ち、現在ルナの「従者」である朝日(遊星)。

ルナ様は朝日(遊星)を必要とし、朝日(遊星)もまたルナ様を必要とする。

まさに結ばれるべくして、結ばれた二人です。

特にシナリオ後半のvs衣遠シーンで、朝日の女装が暴かれてもなお、「それがどうした」といわんばかりに衣遠に立ち向かうルナ様の姿に、二人の絆の深さが現れていたと思います。

優しく、時に厳しく、圧倒的カリスマ性を持つルナ様。

私も朝日と同じように、「ルナ様のためならなんだってできる!」と思わせるほど、ルナというキャラの魅力が詰まっていました!

また、りそな、衣遠といった大蔵兄妹の出番も多く、2人とも好きな私は大満足。

衣遠お兄様は実は誰よりも遊星の事を気に掛け、大切だからこそ、才能のない世界で勝負してほしくないと思ったんじゃないかと、本編通して感じました。

やり方は絶対に間違っているけどね。

そして欲を言えば、分岐でりそな攻略させてほしかった(笑)。

ただ、それは置いておいて、とにかく完成度が高く、何度でもプレイしたいと思えるような素晴らしいルートでした!

総評

全体的に質が高く、数あるノベルゲームの中でもトップクラス。

基本的には泣きゲーを好む私ですが、本作はシリアスとコメディの調和が上手くとれていて、飽きることなく楽しめました!

特にルナ様、ユルシュールルートは素晴らしい完成度。

OPも非常に耳に残り、良かったです!

キャラよし、シナリオよし、音楽良しの傑作。

続編も多く制作されているので、また暇を見つけ次第プレイしたいと思います!

最後まで見ていただきありがとうございました!

そして、「ありがとうございます、お優しいルナ様」

コメント

タイトルとURLをコピーしました